被ばく労働を考えるネットワーク通信

2012/11/16

【被ばく労働を考えるネットワーク通信】第1号

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被ばく労働を考えるネットワーク通信:第1号
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被ばく労働を考えるネットワーク通信 第1号2012年11月1日発行
●11・9亀戸、11・25いわきに集まろう!「被ばく労働者に安全と権利を!」 ネットワーク正式発足します 私たちのネットワーク(準備会)では、11月25日にいわき市で地元の方々と協力して講演と相談会に取り組むべく準備をしています(詳しくは、右のなすび原稿参照)。「第1回」とあるように、この取り組みは、継続していきたいと考えています。当然ですが、そのためには人的・資金的な面での体制作りが不可欠です。 この1年あまり、「準備会」というかたちで、さまざまな分野で活動している個人が集まって、被ばく労働問題に取り組む運動体を作ろうと準備してきました。今回、福島現地での取り組みを成功させるためにも、「被ばく労働者に安全と権利を!」と題して、「被ばく労働を考えるネットワーク」の正式な設立集会をもちます。「ネットワーク」に参加しているいわき自由労組、神奈川労災職業病センターの方の発言を受けて討論の予定。11月9日(金)、江東区亀戸文化センター(JRほか亀戸駅すぐ)にぜひお集まりください。あわせて「ネットワーク」への参加と賛同も広く募ります。賛同費は一口個人1000円、団体3000円です。ご協力をよろしくお願いします。 最後になりましたが、ネットワークの正式発足にあわせて、ニュースを出すことにしました(当面は不定期刊)。ページは少ないですが、活動報告や広く情報を共有していくメディアをめざします。今号では、ネットワークに集っている人たちが、どんな活動を重ねてきたか、その報告が掲載されています。それでは、どうぞよろしく。(新孝一/編集部)

●「放射能汚染下で働き、暮らすこと」講演会・相談会@いわきの開催に向けて  市内の旅館や宿舎には、原発事故収束作業や除染作業に向かう労働者が多く滞在しています。また、いわき市内の仮設住宅には双葉地区八町村から多くの方々が避難しています。みな、被ばくと先の見えない不安定な雇用・生活の中で不安を感じながら、口にできずに抱え込んでいます。 さまざまな相談に応じるとともに、危険な収束作業や除染作業での労働条件や安全をどのように守るのか、長期低線量被曝などの危険性にどのように対応して暮らすのか、などの問題への取り組みが必要です。被ばく労働を考えるネットワークは、地元いわきの労働組合や福祉団体に協力をいただき、誰にでも来てもらえる相談会を準備しています。 会場である「いわき ゆったり館」は、宿泊・研修施設を持つ市営の温泉利用型健康増進施設です。この研修室を主に3つのブースに分けて、労働相談、健康相談、生活相談を行う予定です。別室では整体と鍼灸の治療も行います。そのほか、のんびり座談できるスペースや、子どもがいても参加できるように子どもの遊び場所も考えています。 ただ私たちは、これらの非常にセンシティブな相談をして頂けるほど、地元の方々の信頼を得る取り組みはできていません。労働者や地域の人々が欲しい情報を提供し、足を運びやすい環境も作る必要があります。そこで、被ばくと労働・生活に関する国内第一人者と言っても良い阪南中央病院の村田三郎先生に講演をお願いしました。原発労働者の被ばくの実態とその健康影響について、健康管理や作業記録など普段から心掛けるべきこと、また、汚染環境下での住民生活で注意すべきことについて、お話しを聞きたいと思います。 この講演会・相談会を一緒に作ってくださる方を募集しています。ご協力頂ける方は、ぜひご連絡ください。(なすび/被ばく労働を考えるネットワーク準備会)

●「2つのチャンネル」…で政府交渉 福島第一原発事故収束作業の現場では、さまざまな問題が噴出している。被曝隠し、未成年の被曝労働、暴力団の介在、違法派遣や偽装請負、下請け労働者に労働条件を明示しない、健康保険に加入させずに就労させる、さらに本来は会社が負担すべき健康診断費や放射線管理手帳の作成費を作業員の給料から天引きしていたことまでもが明らかになった。 3.11事故発生以降、全国労働安全衛生センター連絡会議の呼びかけで多くの支援団体の参加を得て、福島第一原発における被曝労働に関して関連省庁と交渉を重ねている。10月11日の交渉は8回目となる。私たちの要望や質問に対するはかばかしい回答がないことが多く、積み残しの課題や新たに発生する問題が山積している。今回交渉では、下請け会社の労働法令等の違反根絶に向けて、被曝線量を超過した場合の生活保障、労災職業病や賃金未払いの発生状況、放射線の晩発性障害の賠償基準の明確化、被曝労働者に健康管理手帳を交付すること、Jヴィレッジにおける医療・健康相談の状況、作業者の内部被曝2mSv以下切り捨て、原子力施設事故における緊急作業のあり方、今年8月に新たに出された通達「原子力施設における放射線業務および緊急作業に係る安全衛生管理対策の強化について」の内容を問うこと、除染作業など盛りだくさんの内容だ。 これを政府交渉の1つのチャンネルとすれば、もう1つ3.11以前から、JCO事故や長尾さん、喜友名さん、梅田さんらの労災をめぐる問題に取り組んできたチャンネルがある。そこでは、「労働者と住民の健康と安全を守り、生じた被害を補償することを求める要請書」に基づく政府交渉を重ねてきた。現在、被災地の住民や自治体では、脱原発と結んで、国に健康手帳の交付と医療保障などを求める動きが活発化している。 福島県の脱原発住民グループ「脱原発福島県民会議」とともに、国の責任による原発事故被災者への健康手帳の交付、生涯にわたる健康診断、医療費無料化などの医療保障、生活保障を強く求めていく。(渡辺美紀子/原子力資料情報室)

● 好間工業団地第二仮設で医療相談会をもちました 今年7月から毎月1回、第4木曜日の午後、いわき市好間工業団地内の大熊町第二応急仮設住宅で医師による健康相談会を開いています。好間工業団地には第一仮設(156戸)、第二仮設(84戸)、第三仮設(122戸)があり、10月から第三仮設に大熊町役場のいわき連絡事務所が置かれています。 相談日には平野敏夫医師(亀戸ひまわり診療所所長)が午後1時半から3時半までの2時間仮設の集会所につめ、お子さんからお年寄りまでどなたでも気軽に相談していただけるようにしています。 私たちは20数年前から常磐炭田の炭坑離職者のじん肺問題に取り組んできました。現在も月一回北茨城市で平野医師が約50名のじん肺患者を診療しています。午前中に北茨城での診療を終えたあと午後にいわき市に移動し、避難者や原発労働者ための健康相談ができないかと考えていました。縁あって第二仮設住宅の自治会長さんを紹介していただき、健康相談会の提案したところ、集会所を利用させていただくことができました。 7月から始めてまだ3回目です。最初はどんな反応があるか不安でしたが、初回の相談会には私たちの到着を待ちかねていたように、小さなお子さんを連れたお母さんが相談に来られました。60代〜70代の年配者も2〜3人います。男性はみな原発での仕事の経験をお持ちでした。高齢者も多くお住まいで、この夏の猛暑を仮設でしのぐのはたいへんだったと思います。これからの寒さ対策も気がかりです。 月一回のささやかな取り組みですが、大熊町の皆さんの避難生活を少しでも支援できればと思います。(飯田勝泰/東京労働安全衛生センター)

●「全国安全センター原発関連被ばく労働者支援局」を設置 全国安全センターは正式には、「全国労働安全衛生センター連絡会議」という、各地にある労災職業病の相談や職場の安全衛生活動をサポートする労働団体の連絡組織である。過労死やアスベスト問題と同じように、30年ぐらい前から、大阪や神奈川のセンターは、原発内被ばく労働問題に取組み、敦賀原発で働き被ばくして、放射性皮膚炎になった岩佐さんの裁判や、福島第一原発で働き、多発性骨髄腫になった長尾さんの裁判支援活動を担っていた。被ばく労働電話相談を実施したこともあるが、やはりなかなか被災者の掘り起こしは容易ではなかった。 福島の事故の後、労働者はとんでもない被ばくを強いられ、かつてないほど、原発での被ばく労働問題が注目を集めた。残念ながら、東京電力も国もきちんとした情報を開示する姿勢を持っておらず、交渉は怒号がとびかうものとなった。さらに問題なのは、実は国や電力会社も十分に事実を把握して、事故の収束や廃炉に向けて、どのように労働者を守る政策をとるべきなのか、きちんと検討したり、認識していないことである。 全国安全センターは、改めてきちんとした形で情報を整理し、共有化する必要性を痛感した。もちろん被ばく労働を余儀なくされている労働者にもきちんとした情報を届けなければならない。とりあえず「原発関連被ばく労働者支援局」を設置した。被ばく労働に限らず過労疾患、労災隠しなどの相談への積極的な対応はもちろんであるが、当面は、学習会を通じて、膨大な科学的、法的な資料を検討しながら、どのように被ばく労働対策を進めていくべきなのかを、多くの皆さんと共に議論して行ければと思う。(鈴木江郎/神奈川労災職業病センター)

●東京電力はきちんと説明を! 要求と街頭宣伝を継続中  2011年3月11日からしばらく経って、やはり東京電力にきちんと責任をとらせなければならない、まずは説明をさせなければならないと考えた。4月6日、東京電力神奈川支店に、「原発事故にともなう被ばく労働や放射能汚染等に関する要求書」を持参し、申し入れた。団体交渉をイメージして、事前の要求と直接の話し合いを追求したが、東電は多忙を理由に面会を拒否、文書で回答してきた。 当初は、すれ違いの回答が多かったが、悪質な企業や代理人弁護士の、のらりくらりの対応には、ユニオンは日ごろから慣れている。しつこく文書で要求し、向こうも慣れてきたのか、きちんと文書回答させることができるようになってきた。東電の膨大なサイトを探さなくても、解説付きで知りたいことを得られるのはありがたい。 これまで18回の要求書を提出、回答を得ているが、最近は「原発事故にともなう労務管理全般に関する要求書」と言う形でさまざまな要求をしている。具体的には、被ばく線量のデータや高線量被ばく作業の情報開示、晩発性の放射線障害の補償基準の明示、下請け労働者の労務管理、労働者確保の見込み、相談窓口の設置、その他報道された問題の疑問点など多岐にわたる。決してユニオンが要求したからだけではないだろうが、実現した項目も少なくない。(詳しくはhttp://www.d2.dion.ne.jp/~yuniyoko/ 参照)。 福島や東北では今も大変な状況が続いているが、日々の暮らしの中で、原発や震災被害のことを思い出すことはだんだん少なくなる。せめて月に1回、1時間ぐらいは、原発や震災の事を考えるようにしたい。東電への要求も、一部の役員が担当しているだけでは、労働組合活動としてはよろしくない。 昨年4月11日、横浜の関内駅前で、震災と原発事故についてビラをまき、被災者に思いをはせると同時に、改めて自分たちの労働条件を見直そう、被災地を元気にするのは被災しなかった地域の労働運動だと訴えた。脱原発1000万人署名も街頭で取り組み、たくさんの人が、ビラを受け取り、次々に署名をしてくれた。このビラまきには、組合員や上部団体なども含めて毎回20人ぐらいの人たちが参加している。(川本浩之/よこはまシティユニオン書記次長)

●被ばく労働問題に立ち向かう運動体結成に向けて4.22「どう取り組むか 被ばく労働問題 交流討論集会」  「被ばく労働を考えるネットワーク」の原点ともいえる集会が、2012年4月22日(日)、代々木八幡区民会館集会場で開かれた。180名の参加者で会場はほぼ満員となった。なすびさんの司会で、現場から6名の報告と鎌田慧さんのコメントを受け、全体討論が行われた。従来の労働運動の枠組みを超えた闘いが求められている今、それにふさわしく、共同して創造的な運動を作り上げていこうという意識を全体で共有できたと思う。報告・討論の中であげられた問題点や課題を、メモ書き的に整理する。 制度的問題点  西野方庸さん(全国労働安全センター連絡会議)
◆放射線管理手帳:放射線管理手帳制度は、電力会社等の出資による(財)放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターによる自主的運営で、法令上の根拠はない。労働者の命と健康を守るための被ばく線量管理制度が必要。
◆健康管理手帳:原発労働者は労働安全衛生法で定める健康管理手帳の交付対象から外されている。国は被ばく労働従事者全員に健康管理手帳を発行し、生涯にわたり医療保障をすべき。
◆労災補償と裁判:原発の被ばく労災認定事例は40年間で10例のみ。裁判はすべて敗訴。因果関係の立証責任が原告にあるとされるが、これを逆転させ、被告に因果関係のないことを立証させるようにするべき(玄海原発訴訟で係争中)。
◆除染作業:町内会やPTAに丸投げされ、ただでさえ被ばくしている住民が無防備で動員されている。1月施行の除染電離則の実施状況はずさんそのもの。除染ビジネスで新たな利権構造が生まれている。

 現場からの報告
◆松本耕三さん(全港湾書記長) 全港湾小名浜支部は小名浜地区労とともに地域全部を束ねた反原発運動を呼びかけている。住民からの共感も得られるようになった。職場では運動に参加しないとカッコ悪いというムードになってきた。
◆岸野静男さん(東京二十三区清掃一組総支部委員長) 放射性物質を含む廃棄物処理に携わる職員に「内部被ばく検査」「危険手当」を要求。「放射線障害防止指針」「放射線障害防止実施細則」の見直しと下請労働者への適用を求める取り組みを行った。
◆中村光男さん(全国日雇労働組合協議会) 現地では作業員宿舎が乱立し、大手ゼネコンが牛耳る復興事業や事故収束作業に、仕事を奪われた被災者や全国から非正規労働者がかき集められている。炭坑労働の時代から今日まで、国策と独占資本の犠牲となってきたのは非正規労働者であり、被ばく労働はその象徴だ。被ばくリスクの高い清掃局や下水道局の焼却炉の保守点検は非正規労働者が行っている。現地とつながり、非正規労働者とつながる方法を考え出し、社会システムを変える運動を作り出していくことが必要だ。
◆桂武さん(全国一般いわき自由労組書記長) 3.11後の首切り攻撃に対抗するための労働相談やいわき市内の避難所めぐりを行ってきた。相談内容は、労働、生活、健康など多岐にわたるが、被ばく労働に関する相談はなかった。仮設の中には原発作業員が多いので、こちらから出向いて行く態勢が必要。すべてを奪われ分断されている避難民は孤立している。補償金をもらって昼間から飲酒との陰口も聞こえるが、労働組合としては、失業問題として捉え、仲間として受け入れることが大切だ。
◆木幡ますみさん(大熊町の明日を考える女性の会) 周辺住民の間ではがんや白血病が多発しているが、原発との因果関係は認められていない。失業するか、命を削っても原発で働くかしかないという実情がある。原発で働く子どもを持つ母親は、子どもを戦争に取られたのと同じと感じている。事故収束作業員は「お前がやらなくてどうする」という強迫観念を植え付けられ、声を上げられない。代わりに周りの人が声を上げ、被ばく住民・労働者全員に健康管理手帳を発行させ医療保障を勝ち取っていくことがひとつの突破口になる。 今後の取り組み 被ばく労働を考えるネットワークとしては、集会を通して次のような課題に具体的に取り組むことが確認されたと思う。・現地の団体や医師らと連携して労働相談、生活相談、健康相談などを行いながら、被ばく労働者とつながっていく。・被ばく住民と被ばく労働者全員への放射線健康管理手帳の交付を求めるなど、これまでの省庁交渉も継続しながら、命と権利を守る闘いを起こし、被ばく労働問題を社会化する。(中村泰子/たんぽぽ舎会員)

●「廃炉と除染作業に従事する労働者の被ばく」6.30-7.1ふくしまフォーラムで分科会開催 6月30日と7月1日の二日間にわたって、いわき市で「震災と放射能汚染後をどう生きるのか 第1回ふくしまフォーラム」が170人の参加で開催されました。 全体会では、代表の長谷川秀雄さん(NPO法人いわき自立生活センター)が、「ふくしまフォーラムの課題は、震災の教訓について被災地から発信することだ」と話し、中手聖一さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)は、「住民には住み続ける権利、避難する権利、帰還の権利が保障されるべきだ」と話しました。 鈴木絹江さん(田村市、ケアステーションゆーとぴあ)、海渡雄一弁護士、佐藤和義さん(いわき市議)の発言の他、木幡仁・ますみさん夫妻(大熊町町民)は、「町にはもはや帰ることができない。町民の被害への全面的補償と被災者援護手帳の発行を求める」と話しました。 13の分科会が行われ、被ばく労働を考えるネットワーク準備会は「廃炉と除染作業に従事する労働者の被ばく」分科会を担当し、60人を超える参加者で盛況でした。 石丸小四郎さん(双葉地方原発反対同盟)は、「下請けは下に行くほど条件が下がり、線量が高くなると首になる。特に『アトックス』は下請け労働者を使い捨てにして働かせてきた。原発は暴力団に深く依存しており、原発の収束作業では舎弟企業が労働者を支配している」と話しました。 福島第一原発で収束作業を行っているAさんは、「収束作業労働者は原発立地町周辺の労働者、社会が予め策定した犠牲になってよい労働者だ。脱原発運動の現状は被ばく労働について余りにも鈍感だ。自分たちが一方的被害者であるとの認識から脱却し、都市は田舎に原発を押しつけてきたこと、被ばく労働を押しつけてきたことを問い直してほしい。このことなしに新しい社会を作り出すことも原発をなくすこともできない」と話しました。 福島第一原発で収束作業に就いている労働者を自分の息子さんに持つ木田節子さんは、「息子は現在も原発は日本に必要と思っている。悔しい。犠牲的精神は分かるが止めてほしい。自分の気持ちが通じない」と話しました。 福島第一原発で収束作業を行っているBさんは、「原発内では、労災が本人申告制になっており、現場の安全対策協議会が、労働者を締め付けるだけになっている現状がある。原発で収束作業についた労働者全ての健康調査を継続するべきである」と話しました。 斎藤春光さん(いわき自由労組)は、「除染電離則の改正は、ボランティア等に対して放射線の計測が代表者で可能とする等尻抜けになっている」と話しました。 最後の全体会では、各分科会の要点が紹介されるとともに、第1回「ふくしまフォーラム」で提起された課題を整理し、できるだけ早く第2回、第3回と論議を継続していくことを確認しました。 県外から来た参加者たちはマイクロバスや乗用車に分乗して、津波で大きな被害を受けた久ノ浜地区の現状を見て住民から話を聞き、また福島第一原発事故「収束」作業の拠点となっているJヴィレッジ近くを訪れ、被ばく労働の現状についての説明を受けました。 第1回ふくしまフォーラムは、被災地自身の取り組みとして、被災者・住民相互の討論を深めました。被ばく労働に対する運動を作り出していく上でも重要な出発点となりました。(桂武/いわき自由労組書記長)

●「脱原発社会をめざす8.12労働者集会」に1260名が参加 8月12日、テイアラこうとうで、「脱原発社会をめざす8.12労働者集会」が開催された。主催は、全港湾労働組合、国鉄労働組合、全日建連帯労組、全国一般全国協、都労連、全水道東京水道労組、東京清掃労組7労組呼びかけの実行委員会。フォーラム平和・人権・環境が協賛し、1260名の労働者・市民が参加した。 呼びかけ団体と結集した実行委員会を構成する組合は、従来から「反原発、脱原発」を掲げて闘ってきたが、福島第一原発事故を止めることができなかった。その反省に立って、「今度こそ、持続的な運動の上に、原発ゼロの社会を実現しよう!」と決意し、その一歩として取り組んだ。 基調報告で、(1)安心して暮らせる福島を取り戻し、子どもたちを放射能から守り、再稼働を許さず、再処理を止め、脱原発社会をめざす、(2)職場における放射能安全対策を現場の知恵を出し合い作り上げる、(3)地域運動、住民運動との連携、(4)「さようなら原発1000万アクション」を労働運動から担うことを提起した。 講演は京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さん。広島・長崎の原爆の被害と怖ろしさから話をはじめ、原発一基(100万キロワット)は一年でウラン1トンを燃やし、その結果出す核分裂生成物は広島原爆の1250倍となり、福島事故で放出したセシウム137の量は政府発表で広島原発の168発分となる。今も福島第一は進行中で、収束などしていない。政府は法令基準を次々とゆるめており、これでも法治国家といえるのか。(1)子どもを被曝させない、(2)一次産業を守るのが私の願いと語る。脱原発を主張する議員に脅しを掛ける電力労働組合の存在に関連して、かつてチッソの第一組合が、水俣病の公害企業に加担したことを1968年に自己批判した「恥宣言」を紹介し、まともな労働組合活動への期待を語った。 今後の脱原発運動の取り組みの一層の強化を誓い、団結ガンバローで締めくくった。(遠藤一郎/全国一般全国協議会)

●丑寅旅団のボランティア同行記 丑寅旅団のボランティア活動を「実習」させてもらうべく、私がいわき市・泉玉露仮設住宅に向かったのは、7月22日のことだ。旅団の皆さんに初めてお会いしたのは、小名浜地区労のメーデーに参加したとき。デモ後のバーベキュー大会で紹介され、昨年春以来の活動を教えていただき、「そのうち実習させてください」とお願いしていた。 仮設住宅は富岡町住民を中心に220戸、5〜600人の規模で、わりとこじんまりしている。第2集会所で準備していると、三々五々、約25人の住民が来訪。丑寅旅団は整骨治療、もう1つのグループ「ほぐし隊」は足湯とマッサージと飲料の提供をおこなう。1年以上も続いていることなので、みな顔なじみなのか、いろいろ雑談の花が咲く。このような「場」を提供していること自体が、被災者支援になっているように見えた。 この仮設住宅は住民間のコミュニケーションも、活動も盛んだという。集会所には4月8日付の「富岡町泉玉露応急仮設住宅自治体スローガン」が貼り出してあった。
◆政府はわれわれへの生活保証を行え
◆東京電力は被害に応じた補償を直ちに行え
◆富岡町当局は国・東電に補償実現を要求する先頭に立て
◆国・県・富岡町は双葉郡住民のための暮らしと健康を守る施策を直ちに実施せよ
◆双葉郡は一つだ。ともに力を合わせてこの困難を生き抜こう——というもの。 この日の参加は、仮設から通勤する原発労働者との接触の可能性を探るため。その点では掲示板に除染作業の募集もあったりで、それなりに手ごたえがあった。その後、経産省テントひろばの仲間が同じ仮設住宅に伺ったが、その時は住民20人位が集まって東電への補償請求の勉強会が行われていたという。仮設住宅の住民が互いにつながり、外の運動とも連携する関係が強まっている。 11月25日にも私たちはいわき市でイベントを持つが、原発労働者と出会う場面をもっと広げていく必要があるだろう。(岩下雅裕/立川自衛隊監視テント村)

●現場労働者日記ガソリンの巻   毎日毎日 「ご安全に!」「ご安全に!」の繰り返しでいいかげん頭くる。んなこと言われてもどこに安全が約束されてんだ? 収束作業と終息宣言。ステップが進んだと聞いて、俺は足を踏み外す。俺らの仕事場はヨウ素が無くなったからとチャコールフィルターからダストフィルターへと変わり、クセー空気とクセー飯を天秤にかける。チャコールに替えてくれと文句を言った仲間は軽くあしらわれ、言葉呑み込みゲロ呑み込みこぶし握り作業する。 危険は潜むものではなく見ないふりをし隠し、個人レベルでやり過ごすもの。今日も帰れば飯にありつける。郷(さと)に帰るよりはましだ、ここに来る前よりは増した日当なんだから。コンビニでアテ買い燃料流し込み、アカとグチ流し、1日1日を感じ幸せたしなみ今日もそれなりに満足して床につく。 今日もかけられる、「ご安全に!」で自分に魔法をかける。タネや仕掛けは解いてはいけぬ。夢はさめて半月後に現実を見る。将来を隠し、危険手当てとほしょうは、とうの昔に神隠し。先行きなしの身をあんじ、かける暗示。 「ごあんぜんに」  水が染みる穴あいたブカブカの靴ブクブク鳴らして、ちゃちくなったタイベックで暑さやり過ごし、汗と雨に溺れ、終わったと思えばサーベイ待ちで並ばされ、後ろの奴と抜け道考え、どうせどこも汚ねえんだ帰っちまえと、今さら気にしてもしょうがねえ、死ぬときゃ死ぬと割りきって笑い飛ばして。そんな毎日。 そんな俺らを横目に乗り込むスカスカでご立派な観光バス。お次に通るは、汚ねえ路線バス。行ったり来たり今日も飽きずに。電力様と満員の作業員、どちらがどっちかは言わずもがな。 ……yes . 火をつけるか?のみこむか? 「ご安全に」 あなたが望む被害者像の側面を語るなら、そんな毎日。(G)

●国会前でビラ&バッジ販売  脱原発関係のアクションと言えば「廃炉」の声が定番、しかし実際に廃炉にする人は酷い被ばくをする。 ということで何人かで国会包囲や集会に行っては「原発労働の待遇改善も訴えよう」てなチラシを配っておりました。 そんな時、福岡で元原発作業員・梅田さんが労災認定を巡って裁判を起こしていると知りまして、これは応援せねばと「労働被ばくを忘れるな」アピール用に作った缶バッヂを、原発労災裁判カンパ集めグッズにしました。 脱原発デモ終わりの人たちに「原発労働の労災認定裁判の支援バッヂを販売しています」と声をかけると、一個300円のディ○ニー級高額バッヂにも関わらず、次々に売れて行く──カンパだけ出してくれる方も──多くの人が原発労働を気に掛けてはいるものの、現状が掴めずに動けないでいるのではないか、そう感じました。模索舎に置いて貰っていますバッヂ&JINセット。「鯛ベックs」連絡先:tybx86@gmail.com / Twitter @tybecs梅田さんを支える会へのカンパ先はこちらゆうちょ銀行 口座番号 01700-1-125911加入者名 原発労働裁判・梅田さんを支える会[他銀行から振り込む場合]店名 一七九店(179)当座番号 0125911 加入者名 原発労働裁判・梅田さんを支える会(小倉かなへ/鯛ベックs)

●いわき駅前で出会った人たち 私は福島県いわき市に在住し、毎週金曜日にいわき駅前の南口駅前広場で18時から1時間程度、原発反対等のアピール行動をしている。郡山駅前で全国の金曜日行動への連帯行動が始まったことに触発され、1人でもやろうとプラカードを持って立ち始めたのである。今は多い時で30人弱が集まっている。また、他に福島県内では福島市・郡山市・南会津郡・会津若松市で金曜日行動が行われている。 立っているだけで実に様々な出会いがある。1年前まで福島第一原発で働いていたという方が自分も反対だと声をかけて下さったり、今第一原発で働いている方が配布していた福島原発告訴団のチラシを見て「福島の人がこういうことをしてくれるのは嬉しい」と足を止めて下さり、下請業者と東電社員との差別扱いが酷いこと、震災で漁が出来なくなった元漁師や若者が労働者に多いこと等を語って下さったりする。今後も原発の前線基地で何が出来るか考えながら立ち続けたいと思う。(高橋幸子/いわき駅前アクション)

●被ばく労働を考えるネットワーク活動日誌(2011.8〜2012.9)
【2011年】
8.27 斎藤征二さん講演会「原発労働者の労働運動」(共催=全国日雇労働組合協議会・フリーター全般労組・福島原発事故緊急会議被曝労働問題プロジェクト/ユニオン運動センター会議室)
8.28 被ばく労働問題相談会(市ヶ谷ルノアール)
9.28 被ばく労働問題相談会(西日暮里ルノアール)
*「被ばく労働を考えるネットワーク準備会」をたちあげ
10.25 関係者で、双葉町反対同盟の石丸小四郎さんを訪問
10.28 ネットワーク準備会会議(全国一般全国協)
11.18 「脱原発を実現する労働者集会」(よびかけ=全日建連帯労組・全港湾・全国一般全国協/田町交通ビル)でアピール
12.15 ネットワーク準備会会議(西日暮里ルノアール)
12.21 被ばく労働に関する省庁交渉に参加(全国労働者安全センターほか /衆議院第一議員会館)に参加

【2012年】
1.11 ネットワーク準備会会議(全国一般全国協)
2.2 ネットワーク準備会会議(全国一般全国協)
2.20 ネットワーク準備会会議(文京区民センター)
3.2 ネットワーク準備会会議(全国一般全国協)  内部学習会=坂東喜久恵さん(清掃一部事務組合/たんぽぽ舎)のお話3.9 被ばく労働に関する省庁交渉(衆議院第一議員会館)に参加
3.10 「原発いらない 地球(いのち)のつどい」分科会「被曝労働の実態〜使い捨てられる下請け労働者」(主催=自治労郡山市職労・全国一般いわき自由労組・全国一般ふくしま連帯ユニオン・被ばく労働を考えるネットワーク準備会/郡山市労働者福祉会館)を共催
3.17 ネットワーク準備会会議(全国一般全国協)
3.24 4.22集会準備会会議(文京区民センター)
3.31 復刻版DVD「原発は、いま」完成
4.7 4.22集会準備会会議(文京区民センター)
4.22 ネットワーク準備会主催「どう取り組むか 被ばく労働問題」交流討論集会(代々木八幡区民会館)
4.29 「震災復興を闘う小名浜メーデー」(小名浜横町公園)でアピール
5.3 「野宿者・失業者・持たざる者は団結する! 5.3メーデー」(御徒町公園)でアピール
5.13 ネットワーク準備会会議(ピープルズ・プラン研究所)
6.16 ネットワーク準備会会議(ピープルズ・プラン研究所)
6.30 ふくしまフォーラム「震災・放射能汚染後をどう生きるのか」分科会「廃炉と除染作業に従事する労働者の被曝」(いわき市労働福祉会館)を担当
7.6 被ばく労働に関する省庁交渉(衆議院第一議員会館)に参加
7.8 ネットワーク準備会会議(ピープルズ・プラン研究所)
7.29 いわきでの相談活動現地打ち合わせ(いわき自立生活センター)
8.18 ネットワーク準備会会議(ピープルズ・プラン研究所)
8.19 いわきでの相談活動現地打ち合わせ(いわき自立生活センター)
9.15 「被ばく労働者の命と権利を守る闘いを! 記録映画『原発はいま』上映と討論」(主催=本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール/同事務所)で講演(なすび)全都反弾圧集会(主催=争議団連絡会議/千駄ヶ谷区民会館)でアピール
9.17 ネットワーク準備会会議(ピープルズ・プラン研究所)
9.23 いわきでの相談活動現地打ち合わせ(いわき自立生活センター)
9.29-30 全国寄せ場交流会分科会「震災被災者の生存権と原発被ばく労働問題」(神奈川県三浦市)に参加
9.30 「『東海村臨界事故』を忘れない東京圏行動」(主催=実行委員会/スペースたんぽぽ)でアピール

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